休職制度とは

就業規則などの根拠に基づき、労働契約を存続させつつ労働義務を一時的に免除させる制度をいいます。

そして、私傷病等の理由により労務不能となった場合において、一定の期間について解雇を猶予するという性格をもつものです。ただし、法的な義務付けはありませんので、休職制度を設けるか否かは、使用者が決定できるものです。

休職制度の適用

図1労務不能、すなわち働くことができない状態となれば、労働者の労務の提供義務の不履行になりますから、労働契約の本旨に従えば解雇や退職ということになります。

そこで、休職制度を適用させることによって、労働者と会社の選択肢を増やすことができます。

その結果として、労務が提供できる状態に戻ったのであれば復職となり、それがうまくいかなければ、解雇や退職という形になります。

休職制度と就業規則

労働基準法においては、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とされています。

さらに、労働基準法施行規則においては、明示すべき事項として「休職に関する事項」が含まれていますので、使用者が休職制度を設けるのであれば、明示すべき労働条件となります。

労働条件の明示に関しては、おそらくは就業規則というのが一般的でしょう。
そして、その内容を就業規則に定め、周知することになれば使用者と労働者の労働契約の内容になるというものです。

「労働契約の内容になる」ということは、お互いの約束事になると言い換えてもよいでしょう。

【労働契約法第7条】
「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする」

そして、就業規則に定められた労働条件は最低の基準となります。最低基準効といわれるものです。

【労働契約法第12条】
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による」