ストレスチェックの施行に際して、会社には、ストレスチェック結果の通知を受けた従業員に対して、相談の窓口を広げ、相談しやすい環境を作ることで、高ストレスの状態で放置されないようにする仕組みづくりが求められています。
そのためには会社内にある資源を活用するだけではなく、事業場外にある資源を含めた相談窓口についても検討していくべきでしょう。
しかしながら、事業場外資源といっても、どこでどんな相談対応をしてくれるのかは様々ですし、また、それらが一覧になっているものも現時点では皆無に等しいといえるでしょう。
私が産業保健相談員をしています、神奈川産業保健総合支援センターでも事業場外資源に関するガイドブックを作成していますが、まだHP等で公開されるまでには至っていません。

「こころほっとライン」の開設

そんな中、厚生労働省は、平成27年9月1日より、メンタルヘルス不調やストレスチェック制度、過重労働による健康障害の防止対策に関することについて、全国の労働者等からの電話相談に応じる窓口「こころほっとライン」を開設しました。
専用ダイヤルは0120-565-455で、通話料は無料です。
受付日時は、月・火曜日は午後5時から午後10時まで、土・日曜日は午前10時から午後4時までとなっています(ただし、祝日、年末年始を除きます)。
対象者は、従業員及びその家族、会社の人事労務担当者などとなっていますので、従業員が直接相談してもよいでしょうし、従業員の上司等も対象になるでしょう。

 相談できることは?

ストレスチェック制度に関しては、①ストレスチェックの受検、②ストレスチェックの結果の内容、③ストレスチェックの結果に基づく医師の面接指導、④ストレスチェック結果等の個人情報の管理方法やプライバシー保護の配慮方法、⑤ストレスチェックをめぐる不利益取り扱いなどとなっており、制度の全般に関して相談が可能です。
また、メンタルヘルスの不調に関しては、①こころの悩み、②人間関係や仕事の悩みなどが例示されています。
さらには、過重労働による健康障害に関しても、①長時間労働による健康への影響、②事業場における健康管理の状況、③長時間労働の削減などの対策、などについても相談が可能となっています。
労働安全衛生調査(平成25年)では、実際に相談することによって、約9割の人が不安や悩み、ストレスが「解消された」もしくは「解消されなかったが、気が楽になった」と回答していることからも、相談することによって解決できることが少なくありません。

ストレスチェック制度の施行に併せて、事業場外資源の一つとして従業員に対して情報提供していくのも良いかもしれませんね。